こんにちは。
更新をサボってましたが頑張ります!
今日はいつもと趣向を変えた記事を書きたいと思います。
このブログは台湾在住者視点で主に台湾の食べ物やホテル等の記事を書いています。日本で忙しく暮らす台湾好き・台湾旅行予定の読者さんが気分転換できる事がブログの目的と考えているからです。
台湾の政治経済など重いテーマを取り上げないのは、ブログの目的と違うと考えるのと、「物申す」系ブログって軽く読めないと思うからです。
今日は高雄のホテルを紹介するブログ(後日公開)を書いているとき、高雄のホテル業界からみる台湾の現状についての文章が長くなったので別記事にすることにしました!
高雄のホテル業界の現状と来年総統選挙を控える台湾社会について、僕が感じたことを薄口に書いてみようと思います!
台湾在住の僕が他の台湾ブログで読み飛ばす内容
日本では、観光した人や台湾在住日本人が発信する台湾情報が溢れています。読者さん教えてください!皆さんは台湾のどんな事が知りたいですか?
僕は日本在住の頃、台湾ブログを時々読んでいましたが、台湾移住後は基本的に読みません。
台湾で生活すると、特定ブログの「いい加減さ」「内容の浅さ」がよく解り嫌になるからです。本当に台湾に住み中国語使って暮らしてるのか!?疑わしいレベルのブログもあります。
特に嫌なのは「台湾の歴史語る系」「日本と台湾は歴史的繋がるあるんだよ!知ってる???系」記事です。概要だけの歴史はコピペすれば書けますよね。
誤解しないでほしいのは「台湾にある日本統治時代の遺跡を見に行った!」みたいな記事は、書き手が興味をもって自分の足で取材してるので好きです。
今日のブログは僕が肌で感じた「台湾の今」を書くわけですが、読者さんの意見も聞きたいです!
ウェスティン台北閉鎖とホテルメトロポリタンの台湾進出
本題です。
日本では訪日観光客の増加でホテルの建設ラッシュになっていますよね。東京、京都、大阪、福岡とホテルが増えたのが目に見えて解ります。
対して台湾ですが、つい先日、JR東日本系のホテルがウェスティン台北撤退後の建物の後継テナントとして台湾進出すると報道されていました。
台北に「ホテルメトロポリタン」ができるなんて凄い!と日本人として思います。
それと同時に「ウェスティン台北」が閉鎖されていたのを知って驚きました。
ウェスティン台北は台北の老舗高級ホテルでした。立地もよいのに撤退してしまうなんて、台湾のホテル業界は日本と違い景気が悪いようです。
僕の肌感覚では、台南はいまだホテルの建設、開業ラッシュです。台南は元々ホテルが少なかったこと、台南は中国大陸からの観光への依存度が低いからかもしれません。
そう台湾のホテルをはじめとする観光業は中国大陸からの観光客へ大きく依存している現実があると思います。
15年前の台湾であれば、台湾を訪れる外国人観光客は圧倒的に日本人が多く、日本人の動向が台湾の観光業界に影響しましたが、現在、日本人の影響力は低くなっているのでしょう。
ホテルのニュースといえば台湾南部の大都市、高雄でもニュースがありました。
高雄市内のホテルが続々と休業、廃業している。。。
高雄の大きなホテル2軒が休業、廃業したというニュースがありました。
1軒目は高雄一の高層ビル、高雄85ビル内のホテル、85スカイタワーホテル(君鴻国際酒店)です。大型ホテルなので休業は驚きました。
高雄85ビルって何やっても巧くいかない印象あります!低層階の商業ゾーンは嘗て「大丸百貨店」だったのをご存知の方はいますか?またビルオープン時のホテルはリージェントでしたが何度か経営が変わっています。
あの場所はMRT駅から少し遠いので、商業施設やホテルには向いてないのかもしれませんね。
高雄85ビルホテル部分の区分所有権を「シティースイーツ」や「ミッドタウンリチャードソン」ブランドのホテルを運営するレストランホテルチェーン「海覇王」が競売で落札したらしいです。今後、新しいホテルが開業するのと思います。
ホテルの区分所有権が競売にかけられた理由を知りません。しかしホテルの経営が順調なら競売にはならないと思います。
2軒目は愛河近くの老舗ホテル、ホテルキングダム(華王大飯店)です。老舗なので宿泊した事がある人も多いのではないでしょうか?
ホテルキングダムは、昔からある5つ星ホテルで、宴会や結婚式にも利用されていたそうです。泊まった事はありませんが、外観をみた感じ相当古いなと思っていました。こちらは建物の老朽化と、家賃上昇で赤字が続いていたようです。
このように高雄のホテルは開業ラッシュならぬ「休業ラッシュw」沸いています。
写真は、高雄の旧市街、西子湾あたりの新築ホテル用1棟売り物件です。ホテル向けに建設したものの使われていない様子です。この様に高雄はホテルの客室供給過多に陥っています。
理由は中国大陸からの観光客が激減しているからです。国民党政権時代、台湾南部に多くの中国人観光客が訪れ高雄はホテルの開業ラッシュでした。
しかし民進党政権移行後、中国からの観光客は激減しました。
中国政府は、現在の与党、民進党の支持者が多い台湾南部への中国人観光客の旅行での渡航を制限する事で、台湾南部を重点的に経済的圧力をかけているとも言われています。
つまり高雄のホテルをはじめとする観光業界は中国人観光客激増バブルがはじけ、今まさにドン底にいる感じなのかもしれません。
台湾の「韓流」。発信源は高雄!
台湾に詳しい人であれば、今回の「韓流」は、台湾でK-popアイドルが流行していて破竹の勢い!文化面で韓国の勢いがすごい!という事ではないのが解かると思います。
台湾で「韓流」とはもうひとつの意味を持っています。その「韓流」はまさに高雄が発信源です。
ご存知ない方に説明すると、台湾の「韓流」とは、昨年11月の台湾の統一地方選において、高雄市長選挙に当選、一躍時の人としてブームになった現高雄市長「韓國瑜」を指します。
高雄市長選挙の様子は、本ブログでも2回に亘り記事を書きましたので、興味のある人は上記リンクから読んでみてださい!
高雄市長になった韓氏の躍進はとどまることを知らず、遂に来年実施される総統選挙(大統領選挙に相当)の国民党候補に選出されました。
台湾南部出身でなく、また民進党が強い高雄市で国民党の落下傘泡沫候補が、高雄市長当選よって一躍国民党のスターになりました。
このあたりのスピード感は日本の政界にはないですよね。市長に当選した翌年に首相にはなりませんからね。。。
「高雄のホテル業界の現状と韓國瑜の躍進」が関係あるのかよ!と思ってますか?僕はこのふたつは密接に関係している。これが台湾の現在を如実に表していると感じるのです。
韓國瑜の売りは経済政策
台湾は実質2大政党制の国です。現在の政権与党は民進党。そして野党が国民党です。
詳しい知識がないのですが、ざっくり言うと国民党は表向きは台湾と中華人民共和国の統合を目指す。民進党は表向き台湾は独立国家で中華人民共和国とは別の国というスタンスです。
しかし台湾は中国経済に強く依存しており、中国との経済交流が断たれると台湾経済が一気に弱体化するジレンマを抱えています。
日本でも中国が日本製品の不買運動などを起されると経済的に打撃を受けますが、台湾は中国を怒らせると日本以上に打撃を受けます。
つまり、与党民進党は伝統芸能として「台湾独立」を掲げていますが、中国を挑発するような行為や政策は自国経済の首を絞めることに直結するので難しい立場です。
近年、中国は経済力、軍事力ともに強大化している事。前の国民党政権時に中国との経済交流を加速してしまった為その傾向は顕著になっています。
そして前述のとおり、民進党政権へ交代後、高雄への中国人観光客が激減。現実に高雄の観光業界は打撃を受けています。
そこに現れたのが、中国との政治問題解決は後回しにして、先ず高雄経済を立て直し豊かな街にしよう訴え立候補した韓國瑜でした。そして「韓流」が起こったのです。
長々と書きましたが、考え方によっては、台湾の「韓流」は高雄市民の景気への不満が起こした現象。もっと斜めから見ると、中国政府によって起こされた現象なのかもしれません。
2020年1月11日。台湾総統選投票日です。
来年の1月11日は、台湾の大統領選にあたる総統選の投票日です。実質的には現職の蔡英文と、韓國瑜の戦いです。現在の世論調査では現職が有利と報道されています。
香港での民主化運動により、台湾国民には中国に支配される警戒心が増していることが、民進党有利な情勢に影響していると思います。
しかし、昨年の高雄市長選のように、国民が経済政策への不満を持つと、韓國瑜に当選の可能性があります。中国人から儲けたい台湾人も沢山います。台湾人はお金が大好きです。
僕はどのような結果になろうとも、台湾人の選択した結果が「正しい選択」だと思います。
現代台湾は、中国への感情や台湾独立だけで国の将来を決めれるほど単純な話ではなく、色々な思惑が交錯しているという事を知ったうえで、台湾観光してもらうと、更に台湾観光が面白くなると思いますよ!