電動スクーター「gogoro」はゲームチェンジャーになれるのか?台南の現状をレポート!

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こんにちは。

1月14日の台湾は快晴です。昨日も天気がよかったのですが、先週末から今週の金曜日まではずっと雨でした。

気温も20度を大きく下回っておりこの冬一番の寒さだったと思います。

また久しぶりの更新となります。別に忙しいわけではないですが、集中力が持続できません。もう歳ですね。。。

今日から最低1週間は、毎日更新していきたいと思います!食べ物の話題が中心になると思いますが、お楽しみいただければと思います。

さて、本日はいつもと趣が異なる話題です。

皆さん、台湾の新興2輪車メーカー「gogoro」をご存知でしょうか?所謂スタートアップ企業です。

台南で暮らしていると、日を追うごとにgogoroのスクーターを見ることが増えています。台湾の2輪車市場におけるプレゼンスが高まっていると感じます。

自動車の世界では、欧州や中国が戦略的に自動車の電動化を推し進めています。2018年は電動化への流れが決定的になる可能性があると考えています。

未だに、部品点数の多い内燃機関を職人芸のように造ることを「美しい」と考えているきらいがあり、現時点で国の経済を支える大規模産業なので急速な変化に消極的な我が祖国、日本。

小さな電動スクーター「gogoro」の仕組みを見ていると、世界を変える可能性を秘めているのではないかと思うと共に、日本の自動車産業の将来が少し心配になります。

台湾での電動化の進展状況や所感について述べたいと思います。

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gogoroは新興2輪車メーカー

台南のgogoroディーラー

睿能創意またはGogoroは電動バイクの開発と販売及び電池交換施設を主業務とする台湾のベンチャー企業。

2015年からスクーターの販売を始めた企業です。まだまだ若いです。

電動スクーター自体、特に目新しいものではありません。中国の都市部に行かれた方ならご存知かと思いますが、中国の都市部では多くの電動スクーターが走っています。

また、台湾でもgogoro以外の電動スクーターも走っています。

僕がgogoroを凄いと思う理由、いや、gogoroが世界で注目を浴び、多くの投資家から資金を集めている理由は独自のビジネスモデルにあります。

gogoroのビジネスモデル

課金ビジネスで、スクーターを売った後も収益が見込める!

gogoroの最大の特徴は、電池が交換式であることです。

台南のセブンイレブンにある電池ステーション

gogoroの電池ステーションは、gogoro販売店をはじめ、カルフールやセブンイレブンなどに設置されています。台南市内でもそこそこ見かけます。

この場所には、満充電になった電池が用意されています。

ユーザーはスクーターの電池がなくなると、電池ステーションに行き、空の電池と、満充電の電池を交換します。

充電スポットに電池を返すと走行距離が表示される

これで、電動車の弱点ともいえる、充電時間待ちをする必要な無くなるメリットがあります。そのうえ、電気の使用量に応じて課金するビジネスが可能となります。

また、交換式のため電池劣化のリスクが無くなります。

座席の下に電池入れがある。

日本の電気自動車は、高速道路やイオンなどのモールに充電スポットがあります。カーディーラーでも充電スポットを整備して課金をしています。

しかし、それは、高速充電の環境を提供する顧客サービスの側面が強く、電気を売るという概念ではありません。

gogoroは、車を売って終わりというビジネスモデルとは明らかに違います。

gogoroユーザーの声を聞いてみた

カラーリングがお洒落

曲線が美しい

タイトル負けしてますが、中国語の先生がgogoroユーザーです。

先生は、推定20代の女性。若者です。流行に敏感で、育ちが良いという印象を受けます。

普段あまり会話が弾まないのですが、gogoroの事について聞いたら饒舌にいろいろ教えてくれました。

ユーザーの声(先生の声)

①gogoroのデザインはとにかく美しい!デザインに一目惚れして買った!

②値段は7万TWDだけど、政府から補助金が1万TWD出たから実質6万TWD。

③ガソリンのスクーターは新車で5万TWDくらいから買えるけど、超絶ダサい!

④従来の電動スクーターは速度が遅いけど、gogoroはガソリン車同等以上の加速力がある!

⑤電池交換は、家の近くにスポットがあるから不便には感じない。

⑥電気代は買ったばかりだから解らない。だけど、ガソリン代より高いと思う。ただ、電気代は距離による課金なので、通勤程度なら負担にならない。

⑦台湾は国が小さいから電池ステーションの設置が容易なのだと思う。日本とか大きい国では電池ステーションを普及させるの難しいんじゃね!?

という事でした。環境意識どうこうというより、gogoroのデザインやカラーリングが気に入って買ったみたいです。

若者が多く住む、僕のアパートの駐車場では、約60台のスクーターが停まっていますが、そのうち2台がgogoroです。

2015年創業の企業にしては、なかなかの躍進ぶりです。「gogoro=お洒落」というイメージ戦略に成功しています。

また、台湾国のバックアップもあるのだと思います。

日本とは違う!電動車を普及させないといけない理由

電気自動車の普及させる目的は、「環境にやさしい」からというのが共通認識だと思います。電気自動車の普及に批判的な意見の中に、

「電気自動車は環境にやさしくない!化石燃料を電気に変換して、電気をモーターで動力に変換する。2度変換するのは非効率だ!」という話を聞きます。

アメリカのニュースでも、三菱ミラージュのガソリン車の方が、テスラの電気自動車より、トータルの燃料使用量が少なくエコであるという記事が出ていました。

しかしこの理屈は、台南に住む僕から言わせると、空気が綺麗な東京に住んでるインテリが、現場を見ずに話しているだけに過ぎないと感じます。

それは、総トータルの燃料使用量云々の環境問題などを議論している余裕がないくらい、台南の空気は汚れていると日々感じているからです。

台湾南部の空気は本当に汚いです。これは、中国大陸から汚れた空気が流れてくるという側面もあります。

しかし、スクーター大国台湾。スクーターが出す排気ガスが街の空気を汚している側面も大いにあると感じます。

つまり、現在電動化を進めている、中国やインドや欧州は、熱効率云々ではなく、自動車が走行しながら出す排気を減らすことを最優先しているのです。

そこに電動化の目的があると思います。空気が綺麗過ぎる日本ではあまり理解できない点だと思います。

そういった理由から、僕は将来、世界で自動車の電動化が進むのではないかと考えています。

gogoroが欲しい!しかし日本車メーカーも頑張れ!

タイトルにも書いたとおり、gogoroはゲームチェンジャーになる可能性を十分秘めていると思っています。

と同時にgogoroやその他のスタートアップ企業が、電動車のエコシステムを構築し、それが世界の主流になったとき、

燃費のよいエンジンを一生懸命開発して、改善提案をいくつも出させて、良いものを造ることに頑張る日本企業の努力が一瞬にして無駄になってしまう可能性があります。

僕ごときが心配しても何にもならないですが、日本も国として、電動化規格の主導権を握る戦略を立てて、欧州や中国と戦っていく必要があると思います。

まあそんな事より、台湾中のスクーターが全てgogoroに変わって、空気が綺麗な台南になってほしいです!

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コメント

  1. とんとん より:

    gogoroイイですよね! 1のほうがデザイン良いけど高い…。2を高雄で試乗しましたが、スタートダッシュ速い速い!。今年はHONDAもPCXでHVとEVを発売するようですが、EVのビジネスモデルがgogoroのパクリ?…。

  2. David より:

    とんとんさん

    gogoro格好良いですよね!そうですか。加速も良いのですか。ガソリンバージョンがあれば欲しいです!
    リーフを売る前、日産はgogoroの様に電池交換式の電気自動車を売ろうと検討したらしいですよ。
    電池が劣化する心配がないので、ユーザーとしてはgogoroみたいな方式って良いと思いますね!